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第三章.
.
.
心を空に.
感情を.
.
ぶつけないために.
私もあなたも、
いつもほがらかに談笑し合
えたなら
、
どんなに心豊かで満ち足りた毎日
を過ごせるのだろう
︱
.
と心では解︵
わか︶
っ
ているし、
願っ
ているのよね
。
.
でも、
毎日、
つらく嫌なことにい
っ
ぱいぶつかる
。
.
現実には、
忙しく時間に追われ
、
気持ちはいつもなにかにイライ
ラして
、
身近な周りの人に感情をぶつけてし
まう
。
.
よくないことだと思いながらも
、
心が不安で
、
恐くて、
周りの人を
、
自分を信じることが出来なくて
、
感情をぶつけ
、
当り散らしてしまう
。
.
誰だっ
てみんな同じ、
弱いのよね
。
.
私たちの心は道端に咲く小さな花のように
、
か細く
、
頼りないものなの
。
.
ときには、
美しい花も咲かせるけれど
、
ちょ
っ
とした風が吹いただけで
、
ぽっ
きりと折れて
、
不安になっ
てしまう
。
.
感情をぶつけてしまう
。
.
周りに当たっ
てしまう
。
.
解っ
ていても、
なかなか抑えられない
。
.
そんなときはどうしたらいいのかしら
?
.
そんなときはね、
真っ
暗になっ
た心の中に、
小さな小さな種火
︵
たねび
︶
を灯してみるといいと思うのよ
。
.
周りの人は気づかなくても
、
自分だけが知っ
ている小さな種火よ。
.
種火っ
てなに?
.
それはそんなに難しいものじ
ゃ
ないの。
.
ほら、
だっ
て、
私たちはいつも色
々
なものに願いを託してきたで
し
ょ
う?
.
それが種火。
.
私の本当の.
.
.
.
願いはこう.
私は本当は.
.
.
.
こうしたい.
これが本当の.
.
私の気持ち・
・
・
.
その願いの一つ一つが心の小さな種火なの
。
.
子供の頃の七夕さまを思い出してみて
!
.
短冊に小さな願いごとを書いて
、
ささ竹にぶら下げたでし
ょ
う!
.
ノ︱
トの片隅に、
こっ
そり願いごとを書いたこともある
。
.
自分だけのお守りに願いを託したこともあ
る
。
.
そうするだけで、
なんだか心が楽しく
、
明るくな
っ
たでしょ
う?
.
さまざまなものに願いを託してきた私たち
。
.
記憶の声に耳をすまして
、
あらためていまの自分にそ
っ
と聞いてみて
!
.
あなたの本当の願いを心が教えてくれるわ
。
.
私はこれが得意.
私はこれが.
.
.
.
.
好きだっ
た.
あんなことに.
.
.
.
夢中になっ
た.
こんなことにも.
.
.
.
.
.
熱中した.
みんな楽しかっ
た.
だから私はいま、
.
.
こんな私で.
.
.
.
いたい・
・
・
.
ね、
聞こえるでしょ
う
?
.
あなたの中から聞こえるあなた自身の本当
の声が
。
.
そうしたらね、
心の中の短冊に浮かんでき
た思いや
、
願いごとを書いて
、
しっ
かりと自分の中のささ竹にぶら
下げてみるの
。
.
ちょ
うど子供の頃、
七夕の夜にや
っ
たように
・
・
・
.
そう、
心の中で書いて
、
ぶら下げてみるだけでいいのよ
。
.
心の中の短冊は、
小さな
、
小さな種火となっ
て、
あなたの中で光り出す
。
.
小さいけれど、
決して消えない祈りの種火
。
.
私は本当は.
.
.
.
こうしたい.
私の本当の.
.
.
.
思いはこう.
本当の願いはこう.
その小さな種火を絶やさず
、
心の中に光らせているとね
、
少しずつなにかが変わ
っ
てくるわ
。
.
少しずつ、
少しずつ、
ゆ
っ
くりと。
.
でも、
確実に、
小さな明かりに照らされ
、
なにかが動き出すの
。
.
これが私の.
.
本当の願い・
・
・
.
これが.
.
.
本当の私.
なにも見えずに真っ
暗だ
っ
た心・
・
・
.
ぐしゃ
ぐしゃ
に乱れていた心
。
.
自分でも捕らえることが出来なくな
っ
ていた心
。
.
分からなくなっ
ていた心
。
.
その心に、
少しずつ明かりが灯りはじめる
のよ
。
.
願いの短冊はあなたの大切な思い
。
.
心の中に、
短冊の小さな祈りの種火を光ら
せながら
、
誰もいなくな
っ
た公園でブランコに腰かけて
、
夜空を見上げ
、
ゆ︱
らり、
ゆらり
、
しているとね、
.
満天の星々
はあなたの動きに合わせて
、
きらきら
、
きらきら、
輝き
、
あなたをつつんでくれる
。
.
・
・
・
.
忙しい大人になっ
てしまうと
、
公園とか広場は
、
ただ素通りしてしまう意味のない場所
にな
っ
てしまいがちだけれど
、
本当は、
ほっ
と心が安らぐ大切な空
間なのよね
。
.
そんな意味のない場所と思いがちな場所を
、
も
っ
と、
もっ
と大切にして
。
.
どこまでも続く広い空間は心が解放される
場所
、
.
むじゃ
きになれる場所
、
.
私たちを不思議な郷愁にさそ
っ
てくれる場所
・
・
・
.
その場に意味もなくたたずんで
、
身を置いておきたくなる魔法の
タイムトンネルな場所
だと思うの
。
.
だからね、
たとえば、
公園のブランコに乗
っ
て
、
大きく、
ゆ︱
らり、
ゆらり
、
しているとね・
・
・
.
星々
を見上げ、
ブランコに乗
っ
て、
ゆら︱
り
、
ゆらり、
して、
輝きにつつまれていると
ね
、
あなたの中の祈りの種火の小さな短冊は
、
ささ舟に乗
っ
て、
夜空高く
、
ぐんぐん舞い上が
っ
ていく。
.
星々
の輝きにつつまれて
、
あなたのささ舟は
、
ぐんぐん、
ぐんぐん
、
運ばれていく。
.
あなたの短冊は、
ついには星
々
ととけ合い、
い
っ
しょ
になっ
て、
くるくると回り
、
輝きはじめるわ
。
.
あなたの願いは星々
と一つになる
。
.
きら星たちのきらめく祈りのシ
ャ
ワ︱
が、
揺れているあなたの全
身に降りそそがれる
。
.
輝きにつつまれ、
あなたも高く高く舞い上
が
っ
ていく。
.
輝くあなたは、
きら星たちと共感し合い
、
満天の夜空をかけめぐ
り
、
祈りのセレナ︱
デを奏ではじめるのよ
。
.
あなたと星々
のセレナ
︱
デは、
夜空いっ
ぱいに響きわたる
。
.
高く、
遠く、
遥かまで響きわたるの
。
.
あなたは生まれたときと同じように
、
心は無垢にすみわたり
、
純化されてくるわ
。
.
あなたの中に眠っ
ていた
﹁
ぷりんてぃ
ん﹂
も目覚めてくれる
。
.
生まれたときと同じ、
やわらかい
、
温かいおくるみで
、
一番大切な自分のすべてをやさし
くくるんでくれる
。
.
遠い遥かな記憶の奥底で眠
っ
ているぬくもりが
、
いまでもあなたのすべてを暖かくくる
んでくれているのよ
。
.
しっ
かり握り合っ
た小さな手から伝わ
っ
てきた安心感
。
.
同じ方向を見つめ合っ
た、
つぶらな瞳。
.
ささいな出来事に笑い合
っ
た瞬間。
.
すべてがあなたの中のすみずみで
、
いまでも息づいているのよ
。
.
あなたを、
ずう︱
っ
と暖かくつつんでくれ
ているの
。
.
公園のブランコに乗っ
たり、
.
近くを散歩したり、
.
広場のベンチでひなたぼ
っ
こをしたり・
・
・
.
本当にささいなこと。
.
わずかなこと。
.
ささやかなこと。
.
さりげないこと。
.
ほんのちょ
っ
とのこと
。
.
心にほんのちょ
っ
との
、
あたたかい光のそよ風をあててあげるだ
けでね
、
なにかが少しずつ変わ
っ
てくるのよ。
.
あなたの中でいろいろなことが変わ
っ
てくる
。
.
まっ
すぐ前を向いて、
やわらかいまなざしで
歩いてみて
!
.
そうするとね、
いままで目に入
っ
てこなかっ
た色々
なものに気がつくの
。
.
小さな虫や、
草や、
木も
、
せいいっ
ぱい頑張
っ
ている。
.
にっ
こり笑っ
て、
楽しい気持ちにさせてく
れる
。
.
幸せの光が降りてきてくれるの
。
.
どうしてあんな小さなことで
、
イライラしてしま
っ
たんだろう?
.
気持ちを抑えられなか
っ
たんだろう?
.
周りに当たっ
てしまっ
たんだろう?
.
心が、
ぐしゃ
ぐしゃ
にな
っ
てしまっ
たんだろう
?
.
自然と不思議に思えてくるわ
。
.
幸せはね、
おだやかな笑顔が好きなの
。
.
おだやかな笑顔、
.
あたたかな心・
・
・
.
それはすべてあなたが本来
、
持っ
ている力なのよ
。
.
あなたの中に積み重ね
、
蓄えられた自分本来の力を信じて
!
.
誇りを持っ
て!
.
感情のぶつけ合いからは
、
なにも生まれないけれど
、
手と手をつなぎ
、
誰かといっ
しょ
なら
、
いろんなことが出来る
。
.
共に同じ方向を見て、
嬉
︵
よろ︶
こび、
悲しみをわかち合い
、
笑う日のために
、
いまを耐えることが出来る
。
.
誰かのぬくもりを、
あなたの中に
。
.
あなたのぬくもりを、
ほかの人の中に
。
.
多くのぬくもりを自分の中にあたためてい
れば
、
あなたの中の小さな種火は決して消え
ることはないわ
!
.
私はこれが.
.
.
.
好きだっ
た.
私の本当の.
.
.
.
願いはこう.
私はいつも.
.
こんな自分で.
.
.
.
いたい・
・
・
.
これが本当の.
.
.
.
私の気持ち.
.
これが私.
.
本当の私.
あなたの祈りは空高く舞い上がる
。
.
あなたは本来の自分を取り戻し
、
祈りの種火は光り続け
、
あなたに勇気を与え続けてく
れるわ
。
.
記憶の奥に眠っ
ているぬくもりに支えられ
、
やわらかな自分を取り
戻すことが出来る
。
.
見えない力に輝かされ
、
﹁
ぷりんてぃ
ん﹂
に守られ
、
歩んでいける
。
.
心をブランコのように
、
ゆ︱
らり、
ゆらり。
.
あたたかな風を心の中に
。
.
ぶつけてしまっ
た感情が
、
ひとつ、
ひとつ、
.
爆発させてしまっ
た感情が
、
ひとつ、
ひとつ
、
.
一つ、
一つ、
また、
一つ
、
ゆっ
くりと消えていくわ
。
.
自然と笑顔を取り戻すことが出来るの
。
.
気がつくと、
いつのまにか
、
あなたの中から不安や恐れは消えて
いる
。
.
真っ
暗だっ
た心に光が射してくる
。
.
ぐしゃ
ぐしゃ
だっ
た心が落ち着いてくる
。
.
おだやかな幸せが、
いつのまにか
、
そっ
と寄り添
っ
てくれている。
.
ありがとう。
.
どうもありがとう。
.
目に入るすべての光景が新鮮に見えてくる
。
.
手にふれるすべてのものが新鮮に感じられ
る
。
.
世界がちがっ
て見える
。
.
変わっ
てくる。
.
いっ
ぱいの元気がわいてくる
。
.
すべてのものに感謝して
、
どんな状況にもたじろがず
、
受け止めて
、
立ち向かえる、
強靭で
、
しなやかな心の持ち主になれるのよ
。
.
いつしかあなたの中の小さな種火は種火で
なくなり
、
あなたの全身を輝かせる大きな光
に育
っ
てくれる。
.
大きな燈火︵
とうか︶
とな
っ
てくれている。
.
あなたの中で大きく育
っ
た燈火は、
四方を照らし
、
お日さまの光ととけ合い
、
一体となっ
て、
空の高い高いところで
、
永遠の輝きにまで成長するのよ
。
.
空の輝きになっ
たあなたの燈火は
、
あなたがいま
、
なにをしなくてはならないのかを教
えてくれる
。
.
道を示してくれるわ。
.
ねっ
、
あなたの前に照らし出された一本の
道
。
.
道の両側では、
小鳥たちが
、
小さな草花たちが
、
虫たちが、
﹁
ぷりんて
ぃ
ん﹂
たちも、
小さなベルを鳴らして
、
励ましてくれている
。
﹁
がんばろう!
﹂
﹁
手と手をつなごう!
﹂
﹁
さあ、
いっ
しょ
に、
元気でいこう
!
﹂
.
みんなあなたを応援してくれている
。
.
み︱
んな、
みんな、
笑
っ
てる。
﹁
笑っ
て!
﹂
﹁
笑おうよ!
﹂
.
あなたから、
周りの人へ
、
.
周りの人から、
あなたへ
、
笑顔は伝わっ
ていくの
。
﹁
あなたの笑顔っ
て、
すてき
!
﹂
っ
て言われたら
、
うれしいじゃ
ない
!
.
みんなが鳴らす小さなベルの音は
、
少しずつ
、
幸せのベルの音とな
っ
ていくわ!
.
空へ、
大地へ、
海へと
、
幸せの小さなベルの音は響きわたり
、
満ち満ちていく
。
.
永遠の未来へと鳴り響きつづけるのよ
!
.
ほら、
耳をすましてみて
!
.
あなたにも聞こえてきたでし
ょ
う!
.
あなたを讃える幸せのベルの音が
!
.
感情をぶつけるのではなく
、
伝え合うことで聞こえる幸せのベル
の音が
!
.
あなたの笑顔っ
て、
すてき
!
っ
てね!
.
いらいらして、
ささいなことで感情が爆発
してしまうとき
っ
て、
心がどこか不安定にな
っ
て、
自信を失っ
て、
自分を見失
っ
てしまっ
ているのよね
。
.
そんなときは、
ふだんは忘れてしま
っ
ている
、
あなたが好きだっ
たこと
、
得意だっ
たこと
、
興味を持っ
ていたこと
、
一生懸命、
夢中にな
っ
ていたことを思い出してみてね
。
.
こんなふうになりたい
、
と思っ
ていた、
むかしの自分を思い出し
てみて
。
.
本当のあなたが戻っ
てくるわ
。
.
心をささ舟に乗せて、
.
心にそよ風をあてて・
・
・
.
ささやかでも、
ちょ
っ
とだけでも、
楽しい、
開かれた時を過ごして
いるとね
、
気持ちが少しずつ変化してくるの
。
.
ぐしゃ
ぐしゃ
だっ
た心に光が当た
っ
て、
よりあたたかな
、
豊かな風が吹き抜けてくれる
の
。
.
自分を取り戻し、
気持ちが晴れ晴れと輝き
出すの
。
.
笑顔を取り戻すことが出来るのよ
。
.
ほんのちょ
っ
との気持ちの変化が大事
。
.
そこからなにかを突き抜けて
、
次から次へといい方向へとつなが
っ
ていく。
.
心の自由を得て、
毎日がすばらしいものに
変化するの
。
.
周りの人とも、
手と手をつなぐことができ
る
。
.
そして、
誰よりも、
あなたが内側から
、
いっ
ぱい輝いてくるわ!
ささいなことで感情が爆発してしまうとき・・・
そんなときは
あなたの思いをささ舟に乗せて、
空へと飛ばしてください。
正直なあなたの思い、あなたの願いは、
本来の美しいあなたを取り戻させてくれます。