.
第2章﹃
そこ﹄
にはただ闇だけがあ
っ
た。
.
天もなく、
地もなく、
ただ闇の表面
︵
おもて︶
に虚無とカオス
︵
混沌︶
だけが広が
っ
ていた。
.
すべての時間が引き延ばされ
、
縮み、
時の概念すらも空しく響く
。
.
﹃
そこ﹄
にただ幾つかの声のみが響く
。
.
男女の別なく、
﹃
それ
﹄
が本当の声かどうかも定かではない
。
.
聞く者もなく、
.
虚無に呑まれ、
カオスに混じり合いながら
、
それでも
、
なお・
・
・
﹁
虚無の拡散が止まっ
た
・
・
・
﹂
﹁
カオス︵
混沌︶
の流出も
・
・
・
﹂
﹁
なぜ?
﹂
﹁
なぜ?
﹂
﹁
なにが起こっ
た?
﹂
﹁
妖精たちが・
・
・
﹂
﹁
妖精?
﹂
﹁
ぷりんてぃ
んが・
・
・
・
・
﹂
﹁
やつらに何ができる
?
﹂
﹁
あなどれません﹂
﹁
光﹂
﹁
光だけでは虚無には勝てぬ
﹂
﹁
真の虚無は﹂
﹁
・
・
・
光さえも呑み込むもの
﹂
﹁
ただ・
・
・
﹂
﹁
なにが?
﹂
﹁
妖精の子供たちが地上に降ろされました
﹂
﹁
妖精の子供?
﹂
﹁
あなどれません﹂
﹁
いくつ?
﹂
﹁
おそらくは六つ。
現在
︵
いま︶
、
確認できているのは
、
三つ﹂
﹁
なにを?
﹂
﹁
三人の人間に彼らの力が分け与えられまし
た
﹂
﹁
残りは?
﹂
﹁
分かりません﹂
﹁
しかし・
・
・
﹂
﹁
まちがいなく、
六つが
﹂
﹁
確認できているのは﹂
﹁
三つ﹂
﹁
おもしろい﹂
﹁
実に﹂
﹁
実に﹂
﹁
・
・
・
興味深い﹂
﹁
虚無の拡がりが・
・
・
﹂
﹁
カオス︵
混沌︶
の流出が
・
・
・
﹂
﹁
・
・
・
にぶっ
ています
﹂
﹁
六つか﹂
﹁
現在︵
いま︶
は三つ﹂
﹁
放っ
ておけ﹂
﹁
しかし・
・
・
﹂
﹁
放っ
ておけ、
しばらくは
﹂
﹁
彼女たちの・
・
・
﹂
﹁
なに?
﹂
﹁
彼女たち。
力を分け与えられた人間
。
現在︵
いま︶
、
確認できている三人の少女たち
﹂
﹁
それで?
﹂
﹁
それで?
﹂
﹁
やつらの力を・
・
・
﹂
﹁
力を?
﹂
﹁
力を試してみるのも、
どうか
、
と﹂
﹁
あいかわらずだな﹂
﹁
ふふ﹂
﹁
好きにしろ﹂
﹁
好きに﹂
﹁
おもしろい﹂
﹁
六つの妖精の子供たち
﹂
﹁
地上に降ろされた妖精の子供
﹂
﹁
確認できているのは﹂
﹁
三つ﹂
﹁
確認できている三人の少女
﹂
﹁
残りは﹂
﹁
三つ﹂
﹁
確認できていないものが
﹂
﹁
三つ﹂
﹁
ぜんぶで﹂
﹁
六つ﹂
﹁
おもしろい﹂
﹁
好きにしろ﹂
﹁
お前の好きに﹂
.
・
・
・
・
・
・
﹁
御意﹂