.
第4章︵
続・
続︶
﹁
なっ
・
・
・
﹂
.
美也子は思わず息を飲んだ
。
﹁
な、
なにあれ?
﹂
﹁
なんだよ、
あいつら﹂
.
亜久亜も声をたてた。
怒りを抑えられない
。
﹁
なんだっ
てんだ、
いっ
たい?
﹂
﹁
ひどい・
・
・
﹂
.
茶茶はきゅ
っ
とテディ
ベアのぬいぐるみを両手で抱きかかえた
。
﹁
ひどい・
・
・
ひどいです
ぅ
﹂
.
トトプトたちが待つ丘の上へとたどり着い
た三人
。
.
彼女たちの正面、
丘の反対側にはゆるやか
な斜面が何十メ
︱
トルも続いている
。
.
その先、
丘の裾野には
、
広々
としたくぼ地︱
︱
そこには小さな小学校があ
っ
た。
.
木造三階建ての、
小さな校舎
︱
︱
山の中の分校
。
.
校舎の前には広々
とした校庭が広が
っ
ている
。
.
が、
そこに・
・
・
﹁
ひゃ
っ
ほう!
.
ガキども
、
ヒァ
ズ・
ジョ
ニ︱
︵
俺さま登場ぉ
︶
!
﹂
.
一人の黒い革のジャ
ンパ
︱
を着た若い男が金属バ
ッ
トを振り上げて
、
校舎の入り口の扉を
、
ガツン、
と叩きつけた
。
﹁
ひゃ
ははははははは﹂
.
ガンガン、
と繰り返し
、
繰り返し。
.
扉がぎしぎしと音をたてているのが
、
遠く離れた丘の上からでも
よく分か
っ
た。
﹁
きゃ
あ﹂
﹁
あ︱
ん﹂
﹁
わ︱
ん﹂
﹁
せんせぇ
︱
﹂
.
子供たちの、
小学生たちの悲鳴
。
.
子供たちの姿は校舎の三階の窓ぎわに見え
る
。
.
少し背が高く見えるのは
、
おそらく先生だろう
。
何人かの子供たちを
、
ぎゅ
っ
と体の周りに抱きかかえている
。
﹁
ひゃ
ははははは﹂
﹁
あははははは﹂
﹁
ひゅ
う﹂
﹁
ひゃ
っ
ほぉ
﹂
.
山あいに響き渡るバイクの派手なエンジン
音
。
.
子供たちのいない校庭に二十人近くの若者
たちがバイクにまたが
り
、
ぐるぐる、
ぐるぐる
、
と走り回っ
ている。
﹁
ガキども、
遊んでやるぜ
﹂
﹁
しつけの悪い子は、
ち
ゃ
んとしつけねぇ
とな
ぁ
﹂
﹁
おらぁ
﹂
﹁
ひゃ
はは﹂
﹁
ひゅ
う﹂
.
バババ、
ババババババ
、
というバイクの音。
﹁
あ︱
ん﹂
﹁
わ︱
ん﹂
という子供たちの悲鳴
。
.
くっ
、
と亜久亜は手を握りしめた
。
ばっ
とトトプトの方へと向き
なおり
、
﹁
トトプト、
なんだよ、
あれは
?
﹂
﹁
う、
うん﹂
.
トトプトは空中でくる
っ
と向きを変え、
亜久亜の方へと顔を向け
た
。
﹁
ち、
ちかくの暴走族らしいんだ
。
でも、
なんか変なんだ
﹂
﹁
変?
﹂
.
亜久亜は声をあらげた
。
﹁
なにが?
﹂
﹁
そ、
それがね﹂
.
トトプトはぐっ
と息をのみ
、
﹁
それがね、
学校の先生は警察に電話をしよ
うとしてるんだけど
、
ぜんぜん
、
通じないの。
普通の電話も
、
携帯電話も
、
メ︱
ルも、
無線まで
。
なんの異常もないのに
。
.
それだけじゃ
ないの。
あのね
、
あの学校から半径一キロぐらいの範
囲には誰も
・
・
・
本当に誰もいないの
。
.
誰も半径一キロの範囲にはい
っ
てこない。
もともといたはずの人
たちも
、
いつのまにか、
その範囲からいなくな
っ
ちゃ
っ
てるの。
.
まるで・
・
・
まるで、
あの学校を中心に誰か
の手で見えない結界が
張られているみたいに
﹂
﹁
そ、
それっ
て・
・
・
﹂
.
亜久亜は戸惑いの表情を浮かべた
。
.
丘の下からはバイクの音が響いてくる
。
﹁
それっ
て・
・
・
﹂
﹁
亜久亜さん、
茶茶ちゃ
ん!
﹂
.
美也子の声が響いた。
りんとした
、
毅然とした声
。
.
亜久亜と、
茶茶は、
は
っ
として振り返っ
た。
.
美也子はじっ
と丘の下へと目を向けている
。
.
ぎゅ
っ
と両方の手をにぎ
っ
た。
手のひらに汗がにじむ
。
.
きっ
と亜久亜と茶茶の方へと向きなおり
、
﹁
いまはそんなことは・
・
・
そんなことは関係ない
。
子供たちを助けなき
ゃ
﹂
.
ぐっ
と息をのみ、
﹁
二人とも、
行くよ﹂
﹁
あ・
・
・
﹂
.
亜久亜は目を見開き、
美也子を見つめた
。
.
美也子はきっ
と亜久亜を見つめている
。
その目に浮かぶ強い決意
。
.
ふっ
・
・
・
.
亜久亜は笑っ
た。
﹁
おう!
﹂
.
美也子は茶茶へと目を向けた
。
﹁
茶茶﹂
.
茶茶は笑っ
た。
右手をあげて
、
ぐっ
とガッ
ツポ
︱
ズ。
﹁
はいですぅ
﹂
.
美也子は笑っ
た。
こくん
、
とうなずき、
﹁
うん﹂
.
よけいな言葉はいらない
。
.
言葉なんてなくても、
心と心は通じ合う
。
.
きらめきと、
きらめきのおすそ分け
。
.
パリポと、
ナミクルも
、
空中で静かにうなずいた
。
.
そして、
トトプトも。
.
さぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
、
とした風が吹き抜けていく
。
﹁
まじかる.
.
スティ
ッ
ク!
﹂
.
三人の声が、
しんとした丘の上に響き渡
っ
た
。
.
美也子が、
亜久亜が、
茶茶が
、
ざっ
と正面へと向きなお
っ
た。
丘の下の学校の方へと向き
なお
っ
た。
.
さっ
、
と三人の右手が開かれ
、
斜め上へとかかげられる
。
.
その瞬間、
.
ぱぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
っ
、
としたやわらかな光とともに
、
空中にステ
ィ
ッ
クが浮かび上がる
。
.
光につつまれたスティ
ッ
ク。
.
先に水平にまじわっ
た二つのハ
︱
トがついたステ
ィ
ッ
ク。
.
ぷりんてぃ
んの力を宿したステ
ィ
ッ
ク。
.
まじかるスティ
ッ
ク。
.
そのまじかるスティ
ッ
クが三人のそれぞれの手の中に
、
ぱぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
っ
と浮かび上が
っ
た。
.
三人は、
ぐっ
とスティ
ッ
クを握りしめる。
.
そのまま、
すっ
とステ
ィ
ッ
クがまっ
すぐ、
真上へとかかげられる
。
.
美也子は声を発した。
.
亜久亜と、
茶茶もほとんど同時に声を発し
た
。
.
三人の声が交互に、
順番に
、
響き合う。
.
丘の上に響き合う。
﹁
樹々
にきらめく愛の宝石
﹂
﹁
大地にきらめく心の宝石
﹂
﹁
天にきらめく幸せの宝石
﹂
.
ざっ
と三人の足もとから風が吹き上が
っ
た。
.
三人の声が一つに響き合う
。
.
スティ
ッ
クの先の二つのハ
︱
トが、
しゃ
ぁ
ぁ
ぁ
︱
︱
︱
︱
︱
っ
と回転をはじめる
。
﹁
めぐりあえた奇蹟を大切に
。
あなたとあなたと
、
あなたとあなたと
﹂
.
ふっ
と美也子はスティ
ッ
クを左斜め下へと振り下ろした
。
.
亜久亜と、
茶茶も、
同じように振り下ろす
。
﹁
ぷりんてぃ
ん!
﹂
.
すっ
と右に向け、
水平にま
っ
すぐに、
﹁
ぷりんてぃ
ん!
﹂
.
腕をまげ、
左に水平に
、
﹁
ぷりんてぃ
ん!
﹂
.
ざあぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
っ
と、
三人のステ
ィ
ッ
クが体の前で大きく回される
。
.
先頭のハ︱
トの回転もさらに早まり
、
二つのハ
︱
トが一つに重なり合う
。
﹁
まじかる・
・
・
﹂
.
ばっ
、
ばっ
、
ばっ
、
とふたたびステ
ィ
ッ
クは真上へとかかげられ
た
。
.
美也子の、
亜久亜の、
茶茶のステ
ィ
ッ
クが、
ま
っ
たく同時に。
寸分のくるいもなく
。
﹁
まじかる・
.
.
ドリ︱
ミング!
﹂
﹁
・
・
・
.
.
ドリ︱
ミング!
﹂
﹁
・
・
・
.
.
ドリ︱
ミング!
﹂
.
ふわっ
とつむじが起こり
、
三人の体を、
すぅ
っ
っ
っ
っ
︱
︱
っ
と包み込む
。
.
カッ
、
と先頭のハ︱
トから光が発せられた
。
.
やわらかなきらめきが三人を覆う
。
.
それは、
愛のきらめき
、
心のきらめき、
幸せのきらめき
、
.
先頭の二つのハ︱
トが一つになるとき
、
無限のきらめきが彼女た
ちを包み込む
。
.
トトプトが、
パリポが
、
ナミクルがその様子を見つめていた
。
.
三人のぷりんてぃ
んたちは
、
お互いに顔を見合わせ
、
こくん、
とうなずきあ
っ
た。
.
ふわっ
、
かぁ
ぁ
ぁ
っ
とした光の中
、
きらめきの中
、
美也子の、
亜久亜の
、
茶茶の着ている服は分解され
、
再構築される
。
.
美也子は、
すっ
と目を閉じた
。
.
あっ
・
・
・
.
.
.
きた・
・
・
.
ぱあぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
っ
と足もとから頭へと向か
っ
て、
まばゆい光が駆け抜けていく
。
.
それは、
自分が自分でなくなるような
、
ふわ
っ
と体が浮き上がり、
あたたかなきらめきの
中に体がとけ込んでい
くような
、
不思議な感覚
。
.
それまで感じたことのなか
っ
た不思議な感覚
。
.
亜久亜も、
茶茶も、
す
っ
と目を閉じていた。
.
ばっ
、
ばあぁ
っ
と、
三人をつつむ光
。
.
・
・
・
.
・
・
・
・
・
・
.
・
・
・
.
・
・
.
・
・
・
.
・
・
・
・
・
・
.
・
・
・
.
・
・
.
・
・
・
・
・
・
.
・
・
・
.
・
・
﹁
うん﹂
.
美也子は目を開いた。
彼女の髪は金色に変わ
り
、
着ている服はピンクを基調とした
、
コスチ
ュ
︱
ムへと変わっ
ている
。
.
幅の広い袖口に、
長いブ
︱
ツ。
.
頭の両脇にハ︱
トの形の髪留め
、
そこから腰の下まで伸びた二本
の長髪がさらさらと風
に揺れている
。
.
そして、
左右それぞれの胸当ての形はハ
︱
ト
。
.
そのハ︱
トとハ︱
トはふれ合い
、
ぷりんてぃ
んを象徴する形に。
きらめきの形を形作
っ
ている
。
.
彼女でない、
彼女。
.
自分でない、
自分。
.
それは美也子であっ
て
、
美也子でない、
まじかるエンジ
ェ
ルズのリ
︱
ダ︱
、
まじかるエンジ
ェ
ル、
ミフティ
。
﹁
アミュ
﹂
.
ミフティ
は言っ
た。
.
すぐに後ろから返事が返
っ
てくる。
﹁
おっ
しゃ
ぁ
﹂
.
亜久亜は︱
︱
まじかるエンジ
ェ
ル、
アミュ
は答えた
。
.
彼女の髪は赤。
.
青い、
すっ
きりとしたコスチ
ュ
︱
ム。
一つに束ねられた髪が後ろ
に
、
ばあぁ
ぁ
っ
とたなびいている
。
.
彼女は笑い、
﹁
いつでもいいぜ、
リ︱
ダ︱
﹂
﹁
チャ
︱
コ﹂
﹁
はいですぅ
﹂
.
茶茶は︱
︱
まじかるエンジ
ェ
ル、
チャ
︱
コは答えた
。
.
彼女の髪はすんだ、
透き通
っ
た水色。
.
明るい、
淡い、
黄色のコスチ
ュ
︱
ム。
頭のまん中には
、
大きな、
でも
、
ちょ
こんとしたかわいいリボン
。
﹁
いくですぅ
﹂
﹁
うん﹂
.
美也子はすっ
と顔をあげた
。
.
ぐっ
と腰をかがめ、
ば
っ
とその場から飛び上がる
。
.
亜久亜と茶茶も後に続いた
。
.
ばっ
、
ばっ
と。
﹁
えいっ
﹂
﹁
とりぁ
あぁ
ぁ
﹂
﹁
はいですぅ
﹂
.
三人の体は、
ばあぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
っ
、
と高く、
高く、
空高く舞い上が
っ
た。
.
さぁ
ぁ
ぁ
ぁ
っ
と、
何十メ
︱
トルか上空で、
キラリ
、
とした三つの小さな光の点となる
。
﹁
はい﹂
.
そこから・
・
・
.
そこから、
三人はぐる
っ
と一回転すると、
ぱ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
っ
、
ざあ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
っ
と
、
一気に地上へと降りてくる
。
.
三本の美しい矢となっ
て。
.
黄色い、
青い、
ピンクの三つの矢
。
.
ば、
ば、
ばっ
、
ざん、
と三人は校庭のすぐ手
前
、
丘の中腹へと降り立
っ
た。
.
目の前のすぐ下では、
暴走族たちが我が物顔
でバイクを乗り回し
、
校庭を走り回
っ
ている。
.
甲高いエンジンの音を響かせながら
。
.
奇声をあげながら。
﹁
ひゃ
はははははは、
ヒ
ァ
ズ・
ジョ
ニ︱
︵
俺さま登場
ぉ
︶
!
﹂
﹁
あっ
ひゃ
っ
ひゃ
っ
﹂
﹁
ひゅ
う﹂
﹁
ガキども降りといで。
い
っ
しょ
に遊ぼうぜぇ
﹂
﹁
ひゃ
っ
ほぉ
﹂
.
そこに、
ふいに割っ
てはいる三人の少女た
ちの声
。
.
ミフティ
の、
アミュ
の
、
チャ
︱
コの声。
﹁
おまちなさい!
﹂
.
ざわっ
、
と暴走族たちのあいだにざわめき
が走る
。
.
キュ
ッ
、
ガツッ
、
ドド
、
っ
とすべてのバイクがブレ
︱
キをかけ、
停止する
。
.
彼らはきょ
ろきょ
ろ、
き
ょ
ろきょ
ろと辺りを見回した
。
﹁
な、
なんだ?
﹂
﹁
いまの声?
﹂
﹁
女か?
﹂
﹁
なんだ?
﹂
.
一人のバイクにまたが
っ
た男が丘の中腹へと目を向けた
。
ばっ
と腕をあげ
、
彼女たちを指さした
。
﹁
な、
なんだ、
あいつら
ぁ
﹂
.
暴走族全員の視線が、
ずわ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
っ
と丘の中腹へと向けら
れた
。
﹁
なんだぁ
﹂
﹁
な、
なんだ、
あの女﹂
﹁
あ、
あれは・
・
・
﹂
.
すぐに・
・
・
.
すぐに、
校舎の三階の教室で震えていた多
くの子供たちも異変に
気がついた
。
.
子供らは目を見開き、
ば
っ
、
わっ
と窓ぎわへとい
っ
せいに駆け寄っ
た
。
﹁
あ、
あれ・
・
・
﹂
.
一人の子供が窓から身を乗り出し
、
指さした
。
﹁
先生、
あれ﹂
.
何人かの先生たちも驚きの表情を浮かべる
。
.
男の先生も、
女の先生も
、
ぼうぜんと窓の外へと目を向けていた
。
.
子供たちは、
わっ
と声をあげる
。
﹁
あ、
あれ﹂
﹁
あのお姉ちゃ
んたち﹂
﹁
あれっ
て﹂
﹁
せんせぇ
︱
﹂
﹁
ぼ、
ぼく、
知っ
てるよ
﹂
﹁
テレビでみたよ﹂
﹁
あれは・
・
・
﹂
.
トトプトが、
パリポが
、
ナミクルが、
さぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
っ
と丘の上をわたり
、
三人のところにまで下り降りて
くる
。
.
ぷりんてぃ
んたちは、
ふわ
っ
と少女たちのすぐ脇の空中に止ま
っ
た。
﹁
ミフティ
﹂
.
トトプトは言っ
た。
.
少女たちのリ︱
ダ︱
、
ミフテ
ィ
は目を伏せた。
.
ふっ
と笑っ
た。
.
すっ
と顔をあげる。
.
きっ
とまっ
すぐに正面を見つめた
。
.
ばっ
と手に持っ
たステ
ィ
ッ
クを上へとかかげる
。
アミュ
と、
チャ
︱
コも後に続く。
.
先頭の二つのハ︱
トが
、
きらり、
と光をはな
っ
た。
﹁
愛の妖精ぷりんてぃ
ん
、
から力をさずかっ
た
・
・
・
﹂
.
ふっ
と足を開いた。
.
すっ
と反対の手を脇へとのばす
。
﹁
愛の.
.
まじかる☆.
.
.
エンジェ
ルズ!
﹂
.
わっ
、
.
わぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
っ
、
.
・
・
・
と子供たちの歓声があが
っ
た。
.
大きな、
大きな声。
.
歓声。
.
子供たちの喜びの声。
.
ミフティ
は、
アミュ
は
、
チャ
︱
コは、
ふっ
と笑
っ
た。
.
まっ
すぐに正面の子供たちへと目を向ける
。
.
さっ
とスティ
ッ
クを水平に横へとのばす
。
﹁
小学生の皆さん!
﹂
.
三人の声がきれいにそろ
っ
た。
.
スティ
ッ
クをふわっ
と上へとかかげる
。
﹁
小学生の皆さん!
.
あなたの幸せは
、
わたしと
、
ぷりんてぃ
んにおまかせよ
!
﹂
.
三人のエンジェ
ルたちは
、
ちょ
こん、
と顔を右に傾け
、
子供たちに向か
っ
て、
えいっ
、
ぱちん
、
とウィ
ンクした
。
.
きらっ
とほんの一瞬、
瞳が
、
きらきらっ
と光っ
た。
.
にっ
こりとほほ笑む。
.
わっ
、
.
わぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
、
わぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
っ
と響き渡る歓声
。
.
子供たちの歓声。
.
さらに、
大きな、
大きな歓声
。
.
三人はスティ
ッ
クを頭の上で軽くふり
、
もう一度
、
にこっ
、
にっ
こり
、
とほほ笑んだ。
.
わっ
、
.
わぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
、
わぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
・
・
・
.
・
・
・
・
・
・