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ぷりんてぃ
んと.
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遊ぼうよ!
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第1
7
話.
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お嬢さまの恋.
おや?
.
おやおや?
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どこからともなく、
きれいな
、
きれいな音楽が流れてきます
。
.
とっ
てもすてきな音楽に町を行き交う人た
ちも心あらわれていま
す
。
.
そう、
町でも有名なバイオリン弾きさんが
音楽を奏でているので
す
。
﹁
まあ、
なんて、
すてきな音楽なんでし
ょ
う﹂
.
ちょ
うど町にお買い物に来ていたぷりんて
ぃ
んのお嬢さまは足を止めて
、
音楽に聞き入りました
。
﹁
本当にすてきな音楽、
すてきな人ね
﹂
﹁
お嬢さま、
そろそろお帰りにならないと
、
旦那さまに怒られます
﹂
.
お買い物のお供をしている執事さんは言い
ました
。
﹁
後、
もう少しだけ﹂
﹁
いけません、
お嬢さま
﹂
.
お嬢さまは仕方なく、
執事さんに付いて歩き
出しました
。
.
ついつい、
後ろを振り返
っ
てしまいます。
.
妙なるメロディ
が町中に響いています
。
﹁
ああ、
私、
どうしてしま
っ
たんだろう。
あの方と一言
、
お話をしたい
。
お友達になりたい
﹂
.
お嬢さまは町で出会っ
たバイオリン弾きさんのことが片時も頭か
ら離れません
。
.
ため息をついては、
バイオリン弾きさんの
ことばかりを思
っ
ています
。
.
お食事も喉を通りません
。
.
お父さんは心配でなりません
。
﹁
いっ
たい娘はどうしてしま
っ
たのだ。
このままでは病気にな
っ
てしまう
。
やせ細っ
てしまう
﹂
.
おろおろ、
おろおろ、
心配するばかり
。
﹁
執事、
なにか心当たりはないか
?
﹂
﹁
いえ、
旦那さま、
それは
・
・
・
﹂
.
執事さんは町での出来事を言い出すことが
出来ません
。
.
お嬢さまはため息ばかり
。
小鳥さんも
﹁
元気を出しなよ
﹂
と鳴いていますが
、
どうしようもありません
。
﹁
やや、
これはなんなのだ
?
﹂
.
町をムルちゃ
んといっ
しょ
に歩いていたショ
ッ
コタンは言いました
。
.
お付きのぷりんてぃ
ん
、
ピピンが首から下げている水晶玉
。
.
この水晶玉は﹁
真実の水晶玉
﹂
といっ
て、
近くに困
っ
た人がいると
、
その姿を映し出す機能があるのです
。
.
水晶玉の中にお嬢さまの姿が映
っ
ています。
.
お嬢さまの心の中も、
水晶玉を通して
、
ショ
ッ
コタンやムルちゃ
んに伝わります
。
﹁
そうか、
お嬢さまはバイオリン弾きさんが
好きにな
っ
てしまっ
たのだ
﹂
.
ショ
ッ
コタンは言いました
。
﹁
まあ、
すてき。
私たちの力で
、
なんとかしてあげまし
ょ
うよ﹂
.
ムルちゃ
んも言います
。
.
ピピンとクリスタもうなずきます
。
﹁
そうだね、
このままじ
ゃ
、
病気になっ
ちゃ
うよ
﹂
﹁
こんにちは、
なのだ﹂
﹁
はじめまして﹂
.
ショ
ッ
コタンとムルち
ゃ
んはお嬢さまの家へとや
っ
てきました。
.
お父さんの旦那さまと
、
執事さんが出てきます
。
﹁
むっ
、
なんの用かな?
﹂
.
旦那さまは言いました
。
﹁
このままだとお嬢さまが病気にな
っ
てしまうのだ
﹂
.
ショ
ッ
コタンは言います
。
﹁
むっ
、
むむ、
なぜそれを
?
﹂
﹁
お嬢さまのお父さん﹂
.
ムルちゃ
んは言いました
。
﹁
お嬢さまはすてきな恋をしているんですよ
。
.
町にいるバイオリン弾きさんに
、
ぜひ会わせてあげてください
﹂
﹁
むむっ
、
執事、
そうなのか
?
﹂
﹁
は、
はい、
旦那さま、
実は
・
・
・
﹂
.
執事さんは町での出来事を旦那さまに説明
しました
。
.
旦那さまはうなずきます
。
﹁
馬鹿者、
そういうことは早く言わんか
﹂
﹁
さあ、
それでは﹂
.
ムルちゃ
んはにっ
こりとほほ笑みます
。
﹁
みんなで、
まいりまし
ょ
う﹂
﹁
まあ、
バイオリン弾きさん
、
お会いしたかっ
た﹂
.
みんなの応援を得て、
お嬢さまはバイオリン
弾きさんのところへと
会いにいきました
。
﹁
ぼくもあれから、
あなたのことが忘れられ
なか
っ
たのです﹂
.
バイオリン弾きさんも言います
。
.
ムルちゃ
んは手を叩いて
、
天使の祝福を二人にささげます
。
﹁
まあ、
すてき。
本当によか
っ
たわ﹂
﹁
よかっ
たのだ、
祝福のキラキラシ
ャ
ワ︱
なのだ
︱
﹂
.
ショ
ッ
コタンもスティ
ッ
クを振っ
て、
お祝いです
。
﹁
むう︱
﹂
.
旦那さまは、
ちょ
っ
とだけ複雑な顔をして
いましたが
、
うむ、
とうなずきました
。
﹁
なかなかまじめそうな青年だな
﹂
.
みんなの祝福を受け、
二人はと
っ
ても幸せです
。
.
ショ
ッ
コタンは明るく
、
元気に言いました。
﹁
バイオリン弾きさん、
それではお祝いの曲を
弾くのだ
︱
!
﹂
﹁
はい!
﹂
.
バイオリン弾きさんの奏でる音楽に合わせ
て
、
お嬢さまも歌います
。
.
ほら、
耳をすましてください
。
.
とっ
てもすてきな調べ
。
.
そして、
とっ
てもすてきな歌声です
。
♪
.
くるくる回る、
お花のワルツ
.
ゆるゆる回る、
私の思い
.
いつか、
いつか、
きっ
と届く.
私の思いはワルツの調べ
.
いつか、
いつか、
きっ
とかなう.
私はあなたとワルツを踊る
.
るるる、
ららら、
お花のワルツ
.
るるる、
ららら、
私の思い
.
私は、
あなたと、
ワルツを踊る
.
♪ ♪
.
.
.
.
.
♪.
.
.
♪.
.
.
.
.
♪.
.
.
.
♪.
♪.
.
.
♪.
♪.
二人の未来を祝福するかのように
、
優しいバイオリンの調べと歌
声は
、
いつまでも、
いつまでも
、
町に響きつづけました
。
﹁
地上はとっ
ても楽しか
っ
た。
どうもありがとう
、
みなさん﹂
.
天使のムルちゃ
んがお空に帰る日が来まし
た
。
.
ムルちゃ
んは色々
な人と出会い
、
地上の多くの幸せを確認できて
、
と
っ
ても嬉しくなりました
。
﹁
さあ、
もうそろそろ帰らなくち
ゃ
﹂
.
そうですね、
お空の上から
、
ぷりんてぃ
んと共に愛をお届けする
お仕事も待
っ
ています。
.
なごりおしいけど、
そろそろ戻らないと
。
﹁
それじゃ
、
クリスタとピピンに送らせるの
だ
﹂
﹁
まあ、
ありがとう﹂
.
ショ
ッ
コタンの申し出に
、
ムルちゃ
んも大喜び
。
.
ムルちゃ
んはクリスタのマントに乗
っ
て、
空へと帰
っ
ていきました
。
﹁
皆さん、
ありがとう!
また遊びにきますね
︱
﹂
﹁
いつでも、
待っ
ているのだ
。
バイバイ、
またね
︱
、
なのだ﹂
.
さて、
こうして、
ムルち
ゃ
んはお空の彼方へと帰
っ
ていきました。
.
今度はいつ遊びに来るのかな
?
.
もちろん、
ぷりんてぃ
んのお話はまだまだ続きます
。